グリム童話より

 

 

 

ハチは、何千もの花の蜜を利用して蜂蜜を作ります。太陽によって方角を定めます。そして成熟した技師のように幾何学的な形で、その蜜を巣に入れていきます。ハチに、どの花に蜜があるのか、太陽によって方角を定めるにはどうするのか、あの芸術的な蜂蜜の生産はどのように行うのかを教えたのは誰でしょうか?

 

 蚊は、飛ぶことを覚えるや否や人の血を吸おうとします。人の血の味と効用を蚊に教えたのは誰でしょうか?自分自身が危険な状態にあると感じるとすぐに飛び立ち、手の攻撃から巧みに身を守ります。蚊は、空中でこれほど見事に動くことを、どのパイロットに教わったのでしょうか?

 

 世界中のウナギは皆、バミューダ島の南で卵を産み、そこから元いた場所に戻り、暮らします。卵からかえったウナギに、親たちの祖国へ行くことを教えるのは誰でしょうか?コンパスも知識も持たないこの動物たちは、親の祖国(インド、マレーシア、地中海など)へどうやって行くのでしょうか?

 

 鶏は卵を孵化させる為、最初の日と20日目を除く毎日、卵を回転させ、そこからヒヨコが生まれます。学者はこの行動の意味を、熱に関連付けていました。孵化装置でも、卵にあらゆる方面から熱を与え、孵化させようとしてきました。しかし成功できなかったのです。後の研究で、卵の下部にたんぱく質が蓄積されており、このたんぱく質をヒヨコの全体に与える為に、卵を回転させなければいけないということが発見されました。鶏はこれら全てを、どの化学実験室で学んだのでしょうか?全ての世代の鶏たちにこれらを教えたのは誰でしょうか?

 

 野生のハチは、まず巣を作り、そこに卵を産み付けます。それからバッタをマヒさせる程度に毒を入れ、そのバッタを巣の前においておきます。20日後に生まれる子供たちの食べ物をこのように確保しておくのです。ハチに、バッタが死なない程度に毒を与えること、生まれた子供たちも、親に会うことは一度もないのに、産卵の時期が来ると同じことをするのは、誰が教えたのでしょうか?

 

 タカ、ワシ、ハヤブサといった鳥たちが殺されるとヘビが、ヘビが殺されるとカエルが、カエルが殺されるとハエが増加します。これらの生態を互いに結び付け、この驚くべき秩序を設けられたのは誰でしょうか?

 

 周知のとおり、コウモリは目が見えません。彼らは音波を利用することで、ものにぶつからないのです。人はレーダーを、コウモリを見て開発したのです。レーダーの完成度に感嘆する人は、コウモリがそれを誰から学んだかを考えてみるべきではないでしょうか?

 

 そう、この世界のこの壮大な秩序は、この秩序を司る、統治者の存在、唯一性、そしてその存在が無限の力と知識、意志を持っていることを示します。この存在こそがアッラーなのです。