シリーズ 「私の入信記」 ep.1

紫と黄色のパンジー
私が初めてイスラームに出会ったのは、大学時代の留学先でのことです。その国はイスラーム圏や欧米でもなく、むしろイスラムとはかけ離れたアジアの国でした。

当時通っていた語学学校には様々な国の人がいて、その中にはマレーシア、サウジアラビア、トルコなどイスラーム圏からの学生も多く来ていました。その頃の私はと言えば、ミニスカートも履いていましたし、お酒も飲んでいるような普通の大学生でした。むしろ同じクラスにいるイスラーム教徒の友人が、ラマダン中で食事を我慢していたり、みんなとお昼ご飯に行っても同じ食事ができない事、暑いのに長そでの洋服やスカーフをしている姿を見て「なんてかわいそうな宗教だ、イスラームって面倒な宗教だな。」なんて心の中で思っていたものです。

そんな留学生活の中、アメリカで9.11の事件が起こりました。私と同じクラスのイスラーム教徒は、トルコ人とサウジアラビア人がいました。しかし、どう見てもクラスのサウジアラビア人はニュースで流れているサウジアラビア人とはかけ離れていましたし、ほかのイスラーム教徒も皆さん温和で、人に対して攻撃をするようなタイプではありませんでした。また、同じクラスメイトの中でも特にイスラーム教徒の友人たちは、頻繁にクラスメイトを家に呼んで食事を振る舞う事が多くありました。そのため、私は「なぜニュースに出てくるイスラーム教徒と実際のイスラーム教徒は違うのだろう、彼らの信じるイスラームってなんだろう。」と疑問に思い始めました。また、彼らが授業で作る作文や文章で垣間見る信仰についての熱い思いなどに触れていくうちに、少しずつイスラームに興味を持ち始めていました。

そんな漠然とした興味を持ちながら、日本に帰国後、「蛇みたいなアラビア文字が読めたらいいな。」くらいの軽い気持ちでアラブイスラーム学院にてアラビア語の勉強を始めました。数ケ月通ううち、またラマダンシーズンに入り、学校では断食明けの食事イフタールを振る舞っていました。もちろんイフタールは断食をしているムスリムの皆さんが食べるべきものだと思っていたのですが、ラマダンとは全く関係のない生徒の私たちにも分けてくれました。食事をいただいた時は、そんなつもりではなかったので非常に恥ずかしく、驚きましたが、とても嬉しかったのを覚えています。そんな気前の良いイスラームに対しますます興味が湧き、様々な本や冊子を読んで勉強するようになっていきました。

私は元々宗教というものにあまり良い印象はありませんでした。それまでに見てきた宗教というものは、信者達から財産を奪い上げたり、洗脳や強制的に何かをさせるというようなイメージがありました。また、特にイスラーム教は女性を卑下したり、一夫多妻など女性に対してあまり良くない規律があるものだと思っていました。しかし、勉強して行けば行くほど、私が宗教に対して嫌悪感を抱いていた物がイスラームの教えには無く、また、女性への抑圧だと見えていたものが、実は女性自身の権利を守るものだということが見えてきました。その真実を知れば知るほど、私の心はイスラームへの憧れや興味であふれてくるようになりました。人間が人間らしく生きるためには、やはり神という存在を認めてもいいのではないか、それにはイスラーム教が一番なのではないかと思うようになりました。しかし、まだ自分が今慣れ親しんでいる生活を180度変えるような勇気はなく、どうしようか悩む日々が続いていました。

そんな折、高齢の日本人ムスリムの方に、イスラーム教徒としての生活についてうかがう機会がありました。その時、お爺さんはとても幸せそうに微笑み、「アッラーはいつも私のそばにいて、褒めて下さったり、時には叱って下さるんですよ。」とおっしゃいました。そのお爺さんの幸せそうな表情を見て、私は「こんなに高齢の方が、本当に幸せそうに話すのであれば、このイスラームという宗教は間違いではない。私もこの教えに従ってみよう!」と一歩踏み出す勇気が出ました。きっとあの時、お爺さんが少しでもネガティブな反応をしていたら、結果は変わっていたかもしれません。

そしてその後、私は無事にシャハーダをし、ムスリムとしての道を歩むことを決めました。ちょうどイスラームに初めて出会って3年程たった頃でしょうか。あれから早いもので10年以上経ちましたが、まだまだ色々と学ぶことも多く、日々精進していかなければと思います。そしてこの道に導いてくださったアッラーに感謝する日々です。

#私の入信記

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