「学ぶ」ということ

<学ぶことの重要性>

地理レッスン

人は学ぶことにより成熟する

人は学ぶことによって成熟していきます。なぜなら学ぶことは魂の糧であり、成熟する為の源であるからです。学ぶ人は、学ぶにつれて自分がいかにものを知らないかに気が付きます。そして学ぶほどにその内面でさらなる学びへの欲求が高まっていきます。

読まれる本一冊一冊は人に、もっと学ぶべきであるとささやきます。このようにして学ぶことが生きる形となっていき、人は一日たりとも学ばずにはいられなくなるのです。

人類史の偉大な先人たちは、ある意味で学ぶことに取りつかれたような人々でした。いくつかの例を示してみましょう。

偉大な学者であったハンマド・アル・ラーヴィヤは「学問にまだ満足できないのですか、もう十分ではないですか」と尋ねられた時、次のように答えています。「どうしろというのです。全力を尽くしてきましたが学ぶべきことには終わりは見つからない。山を一つ越えると次の山が現れるのです」

年老いた為に学問に疲れ、「こんな年になって、我々に学ぶことは似つかわしくないのではないか」と言って恥じ入っていたアッバース朝のカリフ・マムンは次のように答えました。「学問の徒として死ぬことは、無知であることを苦にせずに生きることよりもずっと尊いのです」

イマーム・アザームの弟子の一人であるアブー・ユースフは死に接して意識を失い、目を閉じました。後に目を開けた時、枕元にいた人に学問に関連する事柄を訊ねたのでした。訊ねられた人は「今はそんな問題を扱う時ではありません。少しお休みください」と答え、それに対しアブー・ユースフは「ああ、学問に携わっている時に私に死が訪れたら。私もそれで忙しくしながら、あちらに行ければ」と答えました。

サハーバ(教友)の次の世代の人々の中で偉大な人とされていた中の一人、カターダ・ビン・ディアーマは生涯を通して常に学びの為の努力の中にいました。その弟子の一人マトゥラル・アル・ワルタクは彼の状態を次のように表現しています。「カターダは死の瞬間まで、学ぶ人であり続けた」

天文学者のラプレイスは78歳で亡くなった時、まだ仕事のとっかかりであると語り、また最期の言葉は次のようなものでした。「我々が知っていることなど何もない。知らないことが無限にある」

75歳で亡くなった、最初の英語の辞書の作者であるサミュエル・ジョンソンは、死の数年前にオランダ語の学習を始めたところでした。

そう、人はいつでも、今の時間を大切に活用するべきなのです。

無駄に過ごしてしまった、心や理性、魂に何の価値も与えずに過ぎてしまった時間について悲しむべきです。今の時間を大切に生かすことのできない人にとって「今日」というものはなく、いつでも「明日」しかないのです。「まだ早い、そのうちやる」という人々への最良の返事は、「今ではないならいつやるのか?」というものであるべきです。そう、「明日を、今日で買い求めなさい」といった人は何と的を得ていたことでしょうか。

<学ぶことの効用>

学ぶことは脳が若々しく保たれることに効果がある

フォード・モーターの設立者として有名であるヘンリー・フォードは次のように語っています。「学ぶことを放棄した人は、20歳であろうと80歳であろうと、もはや老人であるということだ。学び続ける人は誰であれ、若さを維持する。この世界で最も素晴らしいことは、知性を若々しく保つことなのだ」

最新の研究は私たちに次のようなことを示しています。20歳以降、人の脳では毎日5万ほどの脳細胞が死滅し、その代わりとなる新しい細胞が現れることはありません。この死滅が積み重なって、痴呆が生じるのです。学ばない人は、20歳代以降死に始める脳細胞によってぼけ始めるのです。学ぶ人の場合、他の何らかの理由がない限りはこの痴呆を避ける可能性がより高くなります。なぜなら本を読むことは脳細胞を守るからです。脳が若々しく保たれることを望むのであれば、脳細胞を常に働かせる必要があるのです。その為にはたくさんの本を読み、脳の体操を行うべきなのです。

近年、全世界で致命的なアルツハイマーが日々増えています。知能の働きの減少(ぼけ)であるこの病は、65歳以上の人の7パーセントに出現します。さらに研究によるとこの病気はがんについで第3位の死亡原因になろうとしているのです。

研究者たちはこの病気が老人の間に広間ていることの真の理由が、脳の活用の不足であることを示しています。十分に働かされることのない脳細胞は死滅していくのです。

文化的なことへの興味、関心が減ったり、失われたりすると記憶をつかさどる部分の細胞が死滅していきます。学ぶことは人に頭を使わせます。脳細胞が活性化されたまま維持されるよう助けるのです。この為、学ぶ人々には老化による痴呆はより少なく生じているのです。

この点に関連して、過去の出来事を一つ紹介しましょう。

アメリカで、高等裁判所で働いていたオリバー・ウェンデル・ホームズが90歳で自らの意志で退職した後、大統領に選出されたばかりであったルーズベルトが彼を訪問します。すると彼は図書室でプラトンの本を読んでいるところでした。ルーズベルトは彼に「判事殿!なぜプラトンを読んでいるのですか?」と尋ねました。90歳の判事の答えは、私たち皆が教訓を得るべきものでした。「脳を活性化させる為に読んでいるのですよ」

忘れっぽさを気にしている人は、より多くの本を読むべきです。それによって、脳に怠けることを覚えさせないようにしないといけないのです。

預言者さまは学ぶことを求めておられる

ハディース本を読めば、預言者ムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)の多くのハディースで学問、学者、学究の徒を褒められ、私たちウンマに何度も何度も学ぶこと、学問を奨励されていることがわかります。知識を求めることがすべてのムスリムにとっての義務であると語っておられる預言者さまは別のハディースでは、知識とは信者が失ったものであり、それをどこで見つけてもすぐに手に入れるべきであることを語っておられます。

預言者ムハンマドは、来世で学者たちのインクの量が殉教者の血の量と比較され、学者たちのインクの量がより優れていること、預言者たちは学者たちよりも2段階、学者たちは殉教者よりも1段階優れていることを語っておられます。

別のハディースでは「知識を得る意志で家から出た生徒たちの上を天使の翼が覆い、アッラーは彼に天国への道を容易にされる。学者たちの為に、天と地にある全てのもの、海の魚に至るまでが許しを求める。学者の、アービド(崇拝行為に時間を費やす人)に対する優位さは、満月の他の星々に対する優位さのようである。学者たちは預言者たちの遺産相続人である。預言者たちはお金などは遺さない。ただ、知識を遺すのだ。誰であれ知識を得たものは、多くのものを得たことになる」とおっしゃられています。また時おり「アッラーよ、私に教えられたものによって私に益をお与えください。私の役に立つ知識をお与えください。私の知識を増やしてください」という形でドゥアーされていました。

私たちに明白な言葉で、本を読み、学ぶことを望まれた預言者さまはそれに続けて、「アッラーは知識によって一部の民族を高められ、善行における司令官、指導者とされる。そしてその足跡が辿られ、その行動が従われる」とおっしゃられました。「学者たちはアービデ(イバーダを行うしもべ)たちより70段階尊い。一つの段階ごとの差は、海と天空の間の距離ほどである」と言われました。

預言者さまは学ぶことを奨励されたように、学んだ結果得られた知識を他者と分かち合うことをも求められました。「サダカのうち最も尊いものは、ムスリムが知識を得て、それをムスリムの兄弟に教えることである」「アッラー、天使、そして地と天にある全てのもの、巣の中のアリ、海の魚に至るまで、全ての存在は人々に正しいことを教える学者の為にドゥアーする」この他、この項目に関する多くのハディースがあります。この項をこれ以上長くしない為に、この点について更なる知識を得たい人にはハディースの本を読むことをお勧めし、この話はここで終えたいと思います。

「道しるべ」からの抜粋

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