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歴史に見る子供の伝染病

 

 

 

 

 

 

子供時代に問題となる最も重大な病気は、各種の伝染病である。この分野において最初の臨床報告を行い、治療について言及した最初の医師はイスラーム教徒である。子供時代の伝染病のひとつである百日咳を定義したのもイスラーム教徒の意思である。

医師ムハンマド・フサインはその作品で、百日咳を完全な形で描写している。重要な伝染病のひとつである脾脱疽について最初に定義しているのもイブニ・シナーである。この分野を最初に言及している人々の中の一人はアリー・イブン・アッバースである。猩紅熱を最初に定義した医師はラジーである。この分野で彼についで二番目に言及を行なったのもイブニ・シナーである。また彼は肺結核を様々な段階に分け、同時にこの病気が伝染性であることをも指摘している。イブニ・シナーが公式に名前を出している作品においては、リンパ節結核についての記録が注意をひく。耳の後ろ、わきの下、そして大腿部の結核について言及されている。イブン・ズフルも肺結核の伝染性を指摘している。ハジュ・パシャも後に結核について別の観点から言及を残している。アッバース・ワシムが結核の伝染性を指摘していることも、医学の歴史の観点から評価に値する。

ラジーの最も注目されるべき点は、はしかに関する彼の著作である。歴史上はしかについて最も完成された定義を行なっている医師がラジーなのである。その道をたどる第二の医師がイブニ・シナーである。この分野での著名な人物としてはアブー・サヒー・イブン・ヤフヤーの名を見ることができる。西暦1000年に死去した彼にも、はしかに関する著作がある。さらに、イブン・アル・ジャッサールもその名を挙げることができよう。西洋ではアルギザルとして知られている。彼は1009年に世を去っている。「ザアド アル ムサーフィル」というその作品は、コンスタンティヌス・アフリカヌスによってラテン語に翻訳されている。この作品は1749年、アムステルダムでセント・バーナードによって出版されている。イブン・アル・ジャッサールのこの作品でははしかについて多くのページが割かれている。

イブニ・イスハックは14世紀前のアラビアで、はしかや天然痘について分析を行なっている。この分析はエルマルルの解釈本でも目にすることができる。天然痘とはしかの区別を行なったのもラジーである。天然痘がそれ独自の論文で取り上げられているのだ。はしかについては、15世紀、著者不明の「外科の書」という作品、そしてアリー・ビン・ウスマーンの「治療の書」という作品でも取り上げられている。17世紀には天然痘とはしかについてシャーバン・シファーヒがその「小児のための予防措置」という本の第6節で言及している。その本の第7節ではコレラやペストが取り上げられている。

伝染性の病気の臨床描写を行なっている医師の一人にシェラーフェッディン・サブンジュオールがいる。15世紀に生きたこの医師は、「外科」という本で、丹毒について次のように解説している。「この病気の原因は、とても小さなうじである。この病気の症候はふくらはぎに現われ、赤くなり、熱を持ち、疼痛を伴う。高い熱を発し、赤くなっていたところが腫れ、後には草の根のように腫れた血管が見えるようになる。」と述べ、丹毒を医学的に説明している。同時に丹毒の要因である連鎖球菌をも示している。

伝染性の病気において最も重要なポイントは、伝染を予防することである。この点において一番重要なことは、その病気が伝染性であることの認識である。歴史上多くの学者達がこの件について考えを進めてきた。

例えば、イブニ・シナーはハンセン病、疥癬、天然痘、ペスト、そして炎症を起こした傷口が伝染性であること、伝染病が人口の多い集団でよりよく見られるものであることを述べている。イブニ・ハティープもまた、ペストが伝染性の病気であることを指摘している。伝染性について考えを進めると同時に、見出した事実を実生活で素早く応用することも大切である。例えば歴史上、病院では熱を持ち、伝染性の病気にかかっている人のための別病棟が備えられてきた。伝染性、という概念は、預言者ムハンマド(彼に祝福と平安あれ)が道を示されることによって、人々の注意をひくものとなった。例えば預言者ムハンマド(彼に祝福と平安あれ)は、隔離という概念を導入された。病気や伝染に対する預言者ムハンマド(彼に祝福と平安あれ)の予防策を見てみると、例えばくしゃみをする時は口を押さえ、それによって周囲に感染させることを防ぐことを勧められていたことが見出される。また「誰かの痰が出た場合は、他の信者の肌や服にそれがつくことのないよう、その者はその場を出すべきである。」という言葉も、教訓を含むものである。また「どこかでペストが発生していることを聞いた場合は、その場所には行ってはいけない。また自分がいる土地でペストが発生していることを知った場合は、その場所を動いてはいけない。」と言われていること、狂犬病のような病気を防ぐために野良犬の捕獲を命じられたことなどからは、崇高なる使徒が伝染病の予防という観点で私達の模範となっておられたことが明らかとなる。

病気の予防の為には、飲み物や食べ物が清潔であることも必要である。クルアーンでは「人びとよ、地上にあるものの中良い合法なものを食べて、悪魔の歩みに従ってはならない。」(雌牛章第168節)

「信仰する者よ、われがあなたがたに与えた良いものを食べなさい。」(雌牛章第172節)

と命じている。また水の清潔さについて、預言者ムハンマド(彼に祝福と平安あれ)は、「水を入れた容器、食べ物を入れた容器の上を覆いなさい。」「ひびの入った容器から水を飲んではいけない。」と命じておられる。

 

 

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