子供の権利・役割
子供の権利
両親に対し、子供たちの持つ権利があります。この権利を守るよう両親は出来るだけ努めなければなりません。
「生まれて来る者でこのフィトラ(本然の姿)でない者はいない。そしてその子はそれを自分の舌で表現するまでこの姿でとどまる」(ハディース)
イスラームにおける子供が与えられるべき権利は以下のようになります。
①良い名前を与えられること
②よい食事を与えられること
③よい教育・マナー、礼儀を教えられること。特に父親がこの環境を作ることは義務。
④愛情深く、慈しみをもって接せられること。
⑤何歳になっても親の愛情、優しさをもらうこと。
⑥子供たち(兄弟姉妹)の間では、公正公平であること。
⑦子供にハラールを食べさせること。ハラームの一口がハラームの行動につながる。
⑧子供にイスラーム知識、クルアーンを教えること。
⑨よい結婚相手を選ぶこと。信仰深い相手が基準。
このように、まず夫婦が信仰に基づいた家庭を築き、その延長線上として、子育てをしていくう上で親が環境を整えることは基礎と言えます。その中で培われる健全な精神は、子供の成長、信仰人生、将来において大変重要な核となるでしょう。
子供としての両親への役割
両親に対し、子供は、従順であること望まれています。聖クルアーンには、このようにあります。
『また両親に孝行しなさい。もし両親かまたそのどちらかが、あなたと一緒にいて老齢に達しても、かれらに「ちえっ」とか荒い言葉を使わず、親切な言葉で話しなさい。
24.そして敬愛の情を込め、両親に対し謙虚に翼を低く垂れ(優しくし)て、「主よ、幼少の頃、わたしを愛育してくれたように、2人の上に御慈悲を御授け下さい。」と(祈りを)言うがいい。』(聖クルアーン17章23.24節)
また、両親の求めに応じること、両親に安らいだ環境を提供するように努力すること、禁止されていなければ、出来るだけ両親の望みを聞き、両親のために祈ること。尊敬し、傷つけるような行動や態度は慎むこと。両親が死後、彼らと親交のあった人々と関係を大切に保つことなどがあります。
一方で、両親に反抗することは、大きな罪とされています。「アッラーのご満悦は母や父の喜びと、アッラーのお怒りは母と父の怒りに結びついているものです。」と預言者ムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)はおっしゃいました。
両親へ奉仕する報酬
長い人生の中で子供を育て、様々は困難を乗り越えてきた両親に対し、私たちは尊敬し、大切に接しなければいけません。両親に反抗し、大切に扱わない人は、来世だけでなく、現世においても、いずれ自分も自分の子供に同じひどい扱いを受けることになるでしょう。預言者ムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)は「あなた方の父に対しよく接しなさい。あなた方の子供があなた方に対しよく接するように」とおっしゃっています。
「われは両親に対して、孝行であるよう人間に命じた。」(聖クルアーン46章15節)
『「従順な息子が両親の世話を親切に見るならば、その世話をするたびに、アッラーは受け入れられる巡礼を一回したと評価されるだろう」人々は尋ねた。「もし彼が100回してもですか」「そうである。アッラーは偉大にして慈悲深き方である。」』(ハディース)
両親を大切に扱い、孝行することは、アッラーがお喜びになられることです。イスラームにおいては、アッラーへの奉仕の次に両親に対する奉仕があるとされています。両親に対し、子供は、従順であること望まれています。