親の権利・役割

 

 

 

父親の役割

 父として自分の子供を扶養すること、子供に良い名前をつけ、教育を施し、自分の宗教を正しい形で導くこと、おいしい食事を与え、よい教育を受ける環境を作るのは父の義務です。また、子供たちに愛情と慈しみを持って接し、きちんとした躾(しつけ)をすること、精神的にも肉体的にもよく成長し、人や社会の役に立つ人間になるよう努めます。そのためには、自分自身がよいお手本となり、イスラームで禁止されてることを子供たちに守らせ、物事の善し悪しを教えていかねばなりません。

 「親が子供にする贈り物で一番よいものは、良い躾(しつけ)である。」(ハディース)

 

母親の役割

 イスラームにおいて、母の立場は特別に高いものとされています。預言者ムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)は、「天国は母の足元にある。」とおっしゃられています。自らの子供をお腹に宿している間も、その後子供が何歳になったとしても、あれこれと気遣い、常に自分よりも子供を優先に考え、あらゆる犠牲をも惜しまず育ててくれるのが母親なのです。ハディースでは次のように伝えられています。「ある男が預言者に『神に一番お慶び頂くにはどのようにしたらよいでしょうか。』と尋ねると、彼は答えた。『定めの時間の礼拝だ。』、男はさらに続けた。『それからどんなことでしょう。』すると、預言者は答えた。『父と母に物惜しみないことだ』」。このように、母は子供に大切に扱われる役割を持ち子供がいつまでも母への恩を忘れず、いつまでも大事すること思い出させてくれているのです。

 

子供としての両親への役割

 両親に対し、子供は、従順であること望まれています。聖クルアーンには、このようにあります。

 『また両親に孝行しなさい。もし両親かまたそのどちらかが、あなたと一緒にいて老齢に達しても、かれらに「ちえっ」とか荒い言葉を使わず、親切な言葉で話しなさい。

24.そして敬愛の情を込め、両親に対し謙虚に翼を低く垂れ(優しくし)て、「主よ、幼少の頃、わたしを愛育してくれたように、2人の上に御慈悲を御授け下さい。」と(祈りを)言うがいい。』(聖クルアーン17章23.24節)

また、両親の求めに応じること、両親に安らいだ環境を提供するように努力すること、禁止されていなければ、出来るだけ両親の望みを聞き、両親のために祈ること。尊敬し、傷つけるような行動や態度は慎むこと。両親が死後、彼らと親交のあった人々と関係を大切に保つことなどがあります。

  

 一方で、両親に反抗することは、大きな罪とされています。「アッラーのご満悦は母や父の喜びと、アッラーのお怒りは母と父の怒りに結びついているものです。」と預言者ムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)はおっしゃいました。

 

両親へ奉仕する報酬

 長い人生の中で子供を育て、様々は困難を乗り越えてきた両親に対し、私たちは尊敬し、大切に接しなければいけません。両親に反抗し、大切に扱わない人は、来世だけでなく、現世においても、いずれ自分も自分の子供に同じひどい扱いを受けることになるでしょう。預言者ムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)は「あなた方の父に対しよく接しなさい。あなた方の子供があなた方に対しよく接するように」とおっしゃっています。

  「われは両親に対して、孝行であるよう人間に命じた。」(聖クルアーン46章15節)

 『「従順な息子が両親の世話を親切に見るならば、その世話をするたびに、アッラーは受け入れられる巡礼を一回したと評価されるだろう」人々は尋ねた。「もし彼が100回してもですか」「そうである。アッラーは偉大にして慈悲深き方である。」』(ハディース)

  両親を大切に扱い、孝行することは、アッラーがお喜びになられることです。イスラームにおいては、アッラーへの奉仕の次に両親に対する奉仕があるとされています。両親に対し、子供は、従順であること望まれています。