預言者ムハンマド様と幼い女の子

 

 

 

 慈悲の太陽である預言者ムハンマドさま(彼の上に平安あれ)はある日、マディーナの市場に行かれました。10ギュムシュのお金がありました。ご自身に、4ギュムシュのシャツを買われました。しかしそこに貧しい男が来て、預言者さまに服を求めました。預言者さまは戻ってもう一枚のシャツを4ギュムシュで買われました。そこに泣いている小さな女の子がおり、預言者さまはその子のそばに行き、なぜ泣いているのかを尋ねられました。女の子は涙を拭きながら答えました。

「ご主人様が、小麦粉を買うようにと2ギュムシュくれたのですが、それをなくしてしまいました」

 預言者さまは残っていた最後の2ギュムシュのお金を彼女に差し出し、

「泣かないで、このお金で小麦粉を買いなさい」と言われました。お金を受け取った女の子は、いったん泣きやみましたが完全に泣き止むことはなく、すすり泣きしながら

「でも、帰りが遅くなったといって私を殴るでしょう」と訴え、預言者さまに助けを求めました。

 預言者さまは女の子の手をとられ、二人は一緒に小麦粉を買いました。そして片手に女の子、片手に小麦粉を携えて女の子の家に向かいました。主人は、小さな召使の帰りを待っているところに万有の主であるお方が現れたことに非常に驚き、また喜びました。預言者さまは、

「遅れたことで罰を受けることを恐れていた。決してこの子を殴ってはいけない」と言われました。家主は、

「アッラーの使徒よ、あなたが私の家に誉れを与えて下さる要因となったということで、私はその子を解放します。もはや彼女は自由です」と言いました。預言者さまは非常に喜ばれ、次のように言われました。

「アッラーよ、この10ギュムシュはどれほど恵み多いものだったでしょう。あのお金で私と1人の貧者にシャツを着させ、この女の子を喜ばせ、彼女を自由にして下さいました」

アリフ・ヒハット・アスヤの表現を借りるなら、困窮者の翼であり、貧困者の主であるお方、預言者さまが一人の子供に(生涯を通して多くの子供に)慈悲をかけられ、救いの手を差し伸べられたことは、預言者さまに対する私たちの愛情をさらに強めるものです。そのお方のウンマであるという誉れを得た為に、改めて私たちは預言者さまを誇りに思うのです。