

神、そして他者に対する「肯定的解釈」
人は思考世界によって形成される存在です。その人がどのように考えているのであれ、その能力にも応じて、そのようになるのです。人は一定の思考のアングルから物事や出来事を見ている限り、性格や精神的なあり方という点で徐々にその思考に応じた個性を得ていきます。「物事をよく見る人はいい方向で考える」いい方向で考える人はその精神でもよいことへの種を成長させます。そしてその心で形成した天国のうちに生きるのです。周囲を自分自身の暗い世界から眺める人は、あらゆるものにその内面の醜さを伝染させ、したがって皆に対し不平をいう者となり、決して善を見出すことはなく、よい方向で考えることはなく、人生の真の喜びを感じることもできません。 次のようにいうこともできるでしょう。要因の範疇において、土壌で成長する種にとって土、空気、水、そしてそれらを構成する要素が与える影響がどのようなものであれ、人のよい徳や性格の発展にとっての思考や意志のもたらす影響は同じものです。花は種から、鳥は卵から出てくるように、崇高な精神やしっかりした性格も、よい思考や清らかな意志から生まれます。さらに言えば


両親への感謝
あなたを創造されたアッラーに、それからその要因となった両親に感謝すること アッラーはクルアーンで、「われは、両親への態度を人間に指示した。人間の母親は、苦労に窶れてその(子)を胎内で養い、更に離乳まで2年かかる。『われとあなたの父母に感謝しなさい。われに(最後の)帰り所はあるのである』」(ルクマーン章第14節)と命じられました。 アッラーはこの言葉で、次のようなメッセージを下さっているのです。つまり、「私はかつて、子を両親に託した、今は両親をその子に託した。なぜなら母はその子を身ごもっている際には痛みや苦労を味わい、お産の時には命を懸け、多くの苦労に耐えてきたのだ。母はその子を産んでからも、子が独り立ちできるよう、二年間胸に抱きしめて母乳を与えた。だからまず、あなたを創造したアッラーに、それからこの創造への媒介となったあなたの両親に感謝しなさい」と言われたのです。 注意深く見るなら、アッラーはここで、ご自身に対しなされるべき感謝に、両親を加えられているのです。彼らが、ご自身と同じ権利を分かち合うことを伝えておられるのです。なぜなら両親に、完全な意


クルアーンとハディースの見地から、嘘とその害
初めに 人々の間の結びつきは、愛情と敬意、信頼を支えとしています。正直さと真実を語ることは社会の結びつきを強めますが、正しさや誠実さと相反する嘘、嘘つきであることは、人々の間の敬意や信頼、友情を失わせ、権利の侵害をもたらし、公正さが抑圧に取って代わられる原因となります。 正義は不正に取って代わられ、不正が正しいものとその場所を取り替えます。多くの家庭が嘘によって破壊され、富が失われ、人々の間の互いに対する信頼、愛情、敬意は疑念、怒り、敵意にその場を譲ります。それによって血が流され、殺人が行われます。 だからこそ私たちの父祖は、いつか、それほど時をおかずに嘘をつく人のその悪事が暴かれ、嘘が明らかになるということを説く為に、「嘘つきのろうそくは日没後の祈りの時間までしか燃えない」(嘘は長続きしない)と言い、また嘘をつく人を誰も信頼しないということを示す為に「嘘つきの家が焼けたが誰も信じなかった」(嘘つきのいうことは本当でも信じてもらえない)と表現したのです。嘘、そして嘘をつくことがよいことではないことを端的に説明しているのです。 嘘をつくこととは何を


聖マルヤム:クルアーンで名前が記される唯一の女性
聖クルアーンは、聖マルヤムを、純潔を守る点で最良の女性、模範として、特に優れた高潔さと潔白さの持ち主である女性と説いています。私たちはマルヤムという名前を、子供に名付けたりして、愛する者たちに与えます。。 偉大なクルアーン解釈者であるファフルッディン・ラージは、自身の解釈で次のように記しています。「アッラーは、アーデムを、その時点の被造物よりもなお優れた特性と共に創造された。そしてアッラーは、魂の強さの成熟と、完全さへの到達を、彼の一族のうち一部に与えられた。彼らはその数を増した。後にヌーフへと、さらにはイブラーヒームへと続きました。そしてイブラーヒームからイスマーイールとイスハックに流れが分かれました。イスマーイールは、聖ムハンマドの聖なる魂が現れ、選ばれることの始まりとなった。イスハックも、子孫から子孫へ、はるかアリ・イムラーンにいたるまで、ヤアコーブの血統の預言者たちの出現、そしてイーシャの血統によって財産の始まりとなった。そしてこの状態が聖ムハンマドにいたるまで続く。全ての預言者は、その当時において最上の選ばれた人たちであった。最後に聖ム


啓典への信仰とクルアーン
アッサラームアレイクム 2017年 新年明けましておめでとうございます! 「イルムの森HP」も今年で3年目!本年もどうぞよろしくお願い致します。 今ある時間を大切に、それぞれの信仰を成長させていくことができますように、 今年も皆様にアッラーからのご加護と豊かな恵みがもたらされますようお祈り申し上げます。 クルアーンはそれを読む人の為に最後の審判の日にとりなしを行う 預言者さまのお言葉から私たちが学んだところによるなら、クルアーンは来世で私たちを放っておくことはありません。私たちが苦しみ、救ってくれる木陰を探し求めるであろう審判の日に、それは私たちの手をとってくれるでしょう。預言者さまがこの真実をどのように語っているか見てください。 「人が墓から起き上がると、クルアーンは、その人を、色が変わり、やせ細った状態で見い出す。クルアーンは彼に『私を知っていますか』と尋ねる。人は『いいえ』という。するとクルアーンは『私はあなたの友であり、暑さの中であなたの喉を乾かせ、夜はあなたを寝不足にしたクルアーンです』という。それからその人に冠を、両親にも二つの価値あ